EC2上でUnreal Editorを立ち上げるまでの備忘録

Unreal Engine製のゲーム/サーバーを動かす話ではなく、Unreal Editorを動かす話です。

公式ドキュメントに「AWS に Unreal Engine 5 をデプロイする」という打ってつけな項目があるのですが、
微妙に保守されていないというか、そもそも英語版には存在しない不思議な項目になっています。
一番致命的なのが公式が準備してくれているUnreal Engine 5のAMIが使用不可になっている点。
ということで、EC2上でUEを立ち上げるまでにやったことを備忘録的に書いていきます。

なにはともあれインスタンス選び

ドキュメントにもGPU対応の仮想ワークステーションが良いと書かれているのでg4dn.2xlargeを選びました。
ap-northeast-1で1時間あたりUSD1.383。まあそんなもんでしょう。
(後から気づいたのですが、古のAMIではg5.4xlargeがVendor Recommendedだそうです。)

UEを入れる

今回は他のマシンでビルドしたInstalled Buildを使用するため、S3経由で適当に落としてきました。
別にEpic Games Launcherからインストールしても同じはず。

エラーを潰していく

ここから、どのAMIを利用しているかによりエラーは異なると思いますが、順番にエラーを潰していきます。

The code execution cannot proceed because XINPUT1_3.dIl was not found. Reinstalling the program may fix this problem.

起動しようとするとXINPUT1_3.dllが無いと言ってきます。
↓からDirectX End-User Runtimeをインストール。
(最新がJune 2020のわけないよなぁと思って調べたんですが、2024/01現在では最新らしい。)

www.microsoft.com

websetupの方もあります。

A D3D11-compatible GPU (Feature Level 11.0, Shader Model 5.0) is required to run the engine.

続いて「いやいやg4dnはD3D11-compatible GPUでしょ」みたいなエラーが出るんですが、
カスタムAMIだとNVIDIAドライバーのインストールを手動でやる必要があるんですね〜。そりゃそうだ。
↓の「オプション 4: NVIDIA ゲームドライバー (G5 および G4dn インスタンス)」の手順に従い最新版をインストール。

docs.aws.amazon.com

Visual Studio 2019 does not support NET 6.0 C# projects, these projects will not be added to the generated solution.

このカスタムAMI、開発用ではあったのですがVS2019しか入っておらずエラーに。
VS2022を入れて解決。

起動!

お疲れ様でした。

おまけ : NICE DCV

ドキュメントを読んでいると、リモートアクセスするのに
Windows RDPよりNICE DCVが先に記載されていて、低遅延と高品質らしいので試しに使ってみることに。
Amazonが買収したNICE DCVはEC2で使う分には無料です。

Windows への NICE DCV サーバーのインストールというドキュメントもありますが、
↓のページの「Amazon EC2 で NICE DCV の使用を開始する」の方が簡潔で分かりやすいです。

aws.amazon.com

「え、リモートアクセスって進化の余地あったんだ」と思わされる低遅延さにびっくり。
おすすめです。